Year | 1995 |
Studios | Kingsway Studios(New Orleans), Ultrasonic Studios, Soundtrack Studios |
Producers | Andy Wallace Blind Melon |
Engineers | Andy Wallace Mike Napolitano Ken Lomas |
以下、私の感想文
米国カリフォルニアのロックバンドBlind Melonの2ndアルバムです。
世間的には1stアルバムの方が有名で、この2ndアルバムは隠れた名盤と呼ばれているそうですが、個人的には比べ物にならないくらい好きな超名盤!
アメリカ南部のニューオリンズで録音された本作はブルースやカントリーの雰囲気を持つサザン・ロック色を強めたアレンジになってます。
個人的にそのアレンジも好みなのだけど、曲自体が持つメロディーが物凄くキャッチーなんですね〜
本作は有名なレコーディングエンジニアAndy Wallaceがプロデュースと録音を務めていて、私は彼のプロデュース作品を辿っていたことでこのアルバムにたどり着きました(プロデューサーの他の仕事を漁るのオススメ)
で、まさしくAndy Wallaceなサウンドプロダクションで素晴らしすぎる!
ドラムのキックとベース等のローエンドの締まり方がタイト、されども存在感MAXでホント大好き!
ヘッドホンで聴くよりもスピーカーで聴いた方が1.5倍くらい良く感じるサウンドなんですが、なんでだろうな〜?
メンバー曰くデジタルなリバーブは使ってないドライなサウンドとのことですが、全体のダイナミクスがしっかりあるので、ちゃんと響きやスペース感があるサウンドだと思います。
そうそう本作はダイナミクスがしっかりある音圧戦争に巻き込まれてないマスタリングで良いんですよね〜Andy WallaceがミックスでマスタリングがHowie Weinbergっていうのは90年代のロック系の鉄板コンビですな。
他のAndy Wallaceプロデュース作品と同じくSSLのコンソールでミックスダウンされたようですが(彼はほとんどアウトボードの機材を使わずに卓の機能をメインにミックスしているらしい)、実はボーカルエディット等に当時はまだ今ほど普及していなかったと思われるProToolsが使われてたとのこと。
Andy曰く「アシスタントを付けずに自分一人でProToolsを扱った最初で最後のセッション」 もっとも、マルチトラックレコーダーにはテープを使っていたみたいですけどね。
ちなみにこのアルバムのジャケットのスープを飲んでるおじさんがAndy Wallace本人で、ニューヨークでミックスダウンの時の昼食中に撮られた写真だそうです。
ボーカルのShanonn Hoonも当時のインタビューで父親のようだったと語っていたように、どうやら良い関係を築けていたようですね。
録音はニューオリンズのKingsway Studiosにて。このスタジオはカナダの音楽プロデューサーDaniel Lanoisが当時所有していて他にもPearl JamとかBlack CrowsとかR.E.Mなど録音されているみたいです。(1999年に売りに出され現在は閉鎖している模様)
イントロとアウトロのディキシーランドジャズっぽいのはおそらく現地ニューオリンズのバンドだと思われます。
個人的にアルバム通して楽曲もサウンドプロダクションも非常に素晴らしくタイムレスな魅力をもっていると思うんですよねぇ
本人たちも自己評価以上に売れてしまった1stアルバムよりも自信を持っていたみたいですが、本作の売上はその1stアルバムよりも全然及ばずに期待よりも伸び悩んでしまいます。
さらにボーカルのShanonn Hoonがツアー中にドラッグで亡くなるなど失意の中バンドは次第に活動停止。
まさに悲劇
インタビューで売上でこのアルバムの評価はするつもりないと言ってましたが、こんな名盤を作ったものだから商業的な爆発をすることがなくて内心失望していたのではないでしょうかねぇ
良いものを作ったと思っても商業的に成功するとは限らないことは音楽に限らず、芸術系のモノには当てはまりますが、やっぱり残酷ですなあ。
しかしながら、近年ウェブメディアなどの「過小評価されてるアルバムランキング」みたいな企画で1位になったり、色々ブログとかで紹介されたり(こんな極東の島国でも聴かれてるし)、再評価されてきてるようです。
後年まで聴き継がれる録音作品になって、良かったな〜と思いました。笑
(終)
参考にしたページ(思い出せる限り)