Year | 1994 |
Studios | Fantasy Studios, Westbeach Recorders |
Producers | Brett Gurewitz |
Engineers | Mr. Brett, Michael Roadson |
90年代のパンクバンドの中でも抜群の知名度を持つRancidの1994年にリリースされた2ndアルバム。
Green DayのDookieがドカンと売れてスケーターなファッションのポップパンクがメインストリームに躍り出していた頃、モヒカンに鋲ジャンのいかにもなパンクファッションで人気を博したバンドです。
中高生の頃めっちゃ好きだったのですが、久々に聴いたら曲のフックのあるキャッチーな楽曲だらけでやっぱり良い!
6枚目のアルバムまで全部好きなのですが、録音(あとマスタリング)の具合を考慮すると意外とこの2ndアルバムが一番好きなサウンドプロダクションになってると今回聴き返して発見しました。
次作の3rdアルバムはミックスがAndy Wallace、マスタリングにHowie Weinbergという鉄板の組み合わせで素晴らしいのですが、本作はそれに比べるとちょっと軽い音。
でも、そのちょっとした軽さが「パンクロック」なフィーリングな音をより際立たせていると思うんですよね〜
プロデュース及びレコーディングエンジニアを務めているのが当時のメロディックなパンクムーブメントの先頭であり今でも影響力大なインディーレーベルEpitaph Recordsの創始者であるBrett Gurewitz、通称Mr.Brett(ブレットさん)
実は彼、若い頃に夜間学校でレコーディングエンジニアリングの勉強した後に自分のレコーディングスタジオWestbeach Recordersを設立してエンジニアとして生計を立てていたらしいのです。知らなかった!
そのスタジオで録音した自身のバンドBad ReligionのSufferを聴いたNOFXが自分たちもあの音みたいに録音して欲しいとスタジオに訪ねてきたのがきっかけで次々とパンクバンドを録音。ついでにレコードリリースを始めたのがEpitaph Recordsの始まりだそう。
そんなBrett Gurewitzが作るサウンドは素晴らしくて、もともとギタリストなためかギターの音がとっても良い。
ディストーションギターが全体を包みつつ疾走感は失われない絶妙なバランスになってると思いますね〜
マスタリングエンジニアの記載が無いのですが、前後のアルバムに比べてもダイナミックレンジが拡めのマスタリングになってるのが不思議。でもそれがとても好きなポイントでもあります。
録音は地元カリフォルニア州バークレーにある老舗レコーディングスタジオのFantasy Studiosで、ミックスはBrett Gurewitzの Westbeach Recordersにて
Fantasy StudiosはもともとFantasy RecordsというJazzのレーベルが1971年に設立したプライベートスタジオでしたが、1980年以降は一般開放しジャズ以外にもロック等ジャンル関係なく色々な有名アーティストが録音をしているレコーディングスタジオ。
同郷のGreen Dayの同年に出した有名なアルバム”Dookie”もこのFantasy Studiosで録音されてますね。
収録曲23曲(もっと多くの曲も録音していると思われるので)を録音からミックスまで5日間で行われたとのことで、かなりスピード感のあるプロダクションですね〜 デジタルで気軽にやり直しが出来る現在ならまだ分かりますが、時代的にアナログな環境での制作ですから何度も熟考して制作するというよりはその場のフィーリング重視なプロダクションな気がします。
でもそういうのがパンクロックな音楽性にプラスとして働いているんじゃないかと思うのですよね〜
ただこのアルバムで個人的に惜しいと思うのは曲数が多すぎるという事…笑
一応厳選したらしい23曲を収録のトータルタイムは約45分…
個人的にパンクのアルバムは30分くらいがベストなんですよね〜楽曲は基本的に素晴らしくてほとんどの作曲を手がけるTimのメロディーセンスはずば抜けていると思うけど
この時期は結成当初の3人に新メンバーLars Frederiksenが加わった事によってバンドケミストリー的なものが炸裂してたのでしょうね。それで曲がいくらでも溢れでてきたのかと想像してます。
アルバムも2枚組を想定していたらしくCD盤は1枚に収まってますがアナログ盤はわざわざ10″二枚組にしてます。
まあ本作に限らず、どのアルバムも曲数多いので基本的に多産なバンドですけど笑
本作のプロモーションビデオがMTVで流れたりして一気に知名度を高め、一躍当時パンクムーブメントの中心になり今日にいたるまで人気を維持しているバンドなのはパンク好きであればご存知の通り。
あまりに知名度が高いし商業的にも成功しているので「セルアウト」と揶揄されたりしてコアなパンク好きからは蔑ろにされている感がありますが、やっぱり好きだな〜
ただ2006年にドラムのBrett Reedが脱退してからは…なんか個人的にピンと来なくなってしまったのですよねぇ
別に特別ドラムが上手だということでも、作曲しているとかでないメンバーだと思ってて侮っていたのですが、彼が脱退してからのバンドの楽曲の特にメロディーが冴えない…曲調は基本的に変わらないのに!
実は彼がバンドにとって良い影響を及ぼしてたんだな〜
そういうことからバンドケミストリーってやっぱりありそうだな〜って思いました。
上手くいってるバンドメンバーは大事にしないとね!(まあそう簡単にはいかないけど笑)
(終)
http://www.pias.com/blog/fitting-epitaph-brett-gurewitz-punk-rock-independence-making-big/