Year | 1975 |
Studios | Curtom Studios |
Producers | LeRoy Hutson |
Engineers | John Janus, Roger Anfinsen |
以下、私の感想文
ニュージャージー出身のソウルミュージシャンLeRoy Hutsonの通算3枚目になるオリジナルアルバムです。
70年代のシカゴで非常に優れたアルバムを何枚も発表しながら同シカゴシーンで有名なCurtis MayfieldとDonny Hathawayの影に隠れあまりスポットライトを浴びることがなかったという不遇のソウルミュージシャン
ワタクシ彼の作曲めっちゃ好きなんですよね〜
編曲の良さは勿論あるけど、やっぱり彼のメロディーセンスがとても良くて好きで、どの作品の、どの曲も好きになれる個人的にツボが合いすぎるアーティストなのです。
73年のソロデビューから80年に入るまでほぼ毎年アルバムを作ってますが、どのCDもあまり頻繁に再発されてないのか国内では入手しづらくなっています。(中古でもちょっと高い。)
本作はその中でも比較的手に入れやすく、90年代以降のクラブミュージックシーンで再評価された時に一番取り上げられたアルバムのようでディスクレビューでもよく見かけますね。
実際名曲だらけの名盤で、初めて聴いた時はホント嬉しくなっちゃて一人でニヤニヤしました笑
もともと別に音楽一家ではない家庭で育ち、高校でバンドを組むまでは独学で楽器を習得するなど幼少の頃からガッツリ音楽活動をしていたわけではないというLeroyでしたが、母親の希望で歯科医になるために入学したハワード大学でDonny HathherwayやRoberta Flackらが演奏しているところを目撃したことがきっかけで音楽に専攻を変え(そんな簡単に変えれるのかぁ)その道を志したといいます。
Donny Hathherwayとはルームメイトであり親友だったそうで、彼と共作した名曲”Gehetto”が有名です。
そんな友人Donny Hathherwayとは大学内でCurtis Mayfieldによって集められたのグループMayfield Singersに共に加入したことから親しくなったようです。
その実力が認められたのか、後にCurtisがボーカルを務めていたThe Impressionsに2代目ボーカリストとして入ることになり73年からはソロ活動や作曲編曲等のするためグループを脱退し、CurtisのレーベルCurtom Records所属の音楽家になってます。
Curtom Recordsでは他アーティストのプロデュースやアレンジをやってたりするんですが、これがまた非常に良い仕事してるんですよね〜 センスの塊としかいいようがない!
本作の録音はCurtom Studiosにて。ここは元々はRCA Studioで60年代からソウル系を中心にモータウンのアーティスト等色々な作品が録音されているスタジオで1972年にCurtom Studiosと名前が変わってます。
70’s前半までのCurtom Studio録音の音源はわりとドライめでロック気のあるものが多い気がしますが、70年代の後半になるにつれ、より都会的なサウンドを志向する風潮だったのでキレイめなサウンドに
本作もその流れの上に乗っていて得意のストリングスやホーンに加えシンセサイザーも加えた都会的でアーバンなサウンドなのですが、リズムセクションがカッコイイのでメロウになりすぎずに素晴らしいバランスになっていると思いますね〜
録音とかミックスはとりたて優れている印象はありませんが、やっぱりアレンジ含め楽曲が素晴らしい。
個人的にメロウすぎるソウルは得意じゃないのですが、リロイの楽曲に関してはホントにどれも好きだな〜 基本的にメロウな曲が多いにも関わらず!リズムセクションが怠くない所が良いのかな〜
82年までコンスタントに質の高いアルバムを発表しますが、どれも商業的なヒットには恵まれなかった模様。
アーティストとしてのカリスマ性とかパフォーマンス性とかに欠けてたのかもしれませんね。また、1976年のインタビューで「自分の事をシンガーだと考えていない」と語っていてプロデューサー志向だとも。
個人的にはアルバムのジャケがどれもあんまり冴えないのも一因な気がしますが…笑
70年代はソロ活動に加え他のアーティストのプロデュース等も色々としていた記録が残っているものの、80年以降は音楽業界から彼の名前が忽然と消えてしまいます。
しかし、90年代のクラブシーンとかヒップホップでサンプリングされたり、その筋で「再評価」されるようになったとのこと。再評価されてなかったらワタクシも辿りつけなかっただろうから先人達に感謝ですなあ
そしてググってみたら驚くことに2009年に復活のアルバムを本名のLee Hutson名義でリリースしてました!マジか!
復活時のインタビューによると80年代から姿を消した理由は、一男二女の子育てに専念していたためだったみたいです。
その彼の息子はJR Hutsonという名前の音楽プロデューサー/ソングライターとして活動していて、Donnyの娘のLalah HathawayやJill Scottとかに楽曲提供するなどR&BやNeo Soul系のプロデューサーとして活躍中。
息子も独り立ちしたことだし、子育てが一段落着いて積極的に活動していきたいということでLee Hutson名義で音楽活動を再開したのだそう。
彼のサイトでは入手しづらくなっている70年代のアルバムのCD版が売ってますが、どうやらレコード会社と権利関係で揉めていたらしく、それが再発が少ない理由だったのかもしれません。
自主リリースなのでうっすい紙ジャケに盤もCDRなんじゃないかと疑っていて買おうか悩み中…笑
アルバムの感想文というかLeroy Hutsonに関する投稿になりましたが、彼の作品に外れはないと思うので(全部聴いたこと無いけど)中古屋で見つけたら是非ゲットすべし!
(終)
参考にしたページ(思い出せる限り)