音楽界隈で耳にするナゾの言葉「レンジ感」について考察する。

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そんなに頻繁ではないけど音楽界隈でたまに聞く形容詞「レンジ感」

実は個人的にこの言葉を聞くと「レンジ感って何やねん」って思っています笑

何度かその言葉が出た時にどういう意味か聞いていたことがあるけれど、いまいちピンとくる回答ではなく何て返ってきたか覚えてない具合で、それ以来は「レンジ感」に遭遇する度に、分かった風な顔で話を聞いていることにしている始末。。

このまま知ったかぶりじゃイカン!と思ったので、今回は音楽界隈で使われている「レンジ感」っていうのは何を表しているのかを考察してみようと思います。

使われ方

「レンジ感」なんて聞いたこと無いぞっていう方のために、実際どのように使われているのかを紹介しましょう。

「このスピーカーはレンジ感が広い」
「広いレンジ感のケーブル」
「この音のレンジ感がイイね」
「レンジ感のない楽曲」

等など…ググったり、twitter検索をしていたら上記のような使われ方をしていました。感を抜いて単に「レンジ」と言う場合もおそらく「レンジ感」と同じだと見做します。

ついでに為替取引をしている界隈でも「レンジ感」という言葉が使われているということを知りました笑

ともかく、どうやら「レンジ感」は「広い-狭い」とか「ある-ない」という表現が多いようで、おそらく「レンジ感が最高」みたいな使い方も「レンジ感が(広く、又はあって)最高」という意味だと推察できます。

ではレンジとは何かを追って行きましょう。

レンジとは

レンジとは英語の単語Rangeの事を指すのだと思うので辞書を参照してみると…

1 こんろと天火を備えた加熱調理器具。ガスレンジなど。「―フード」

2 数値・分野などの範囲。広がり。「趣味の―が広い人」「―の長い計画」

3 AT車の操作レバーの一。D(ドライブ)・P(パーキング)・N(ニュートラル)などのモードがある。goo国語辞書

この中だとレンジ感のレンジは2番の「数値・分野などの範囲。広がり」の意味で使っていると思われます。

じゃあ何の範囲なのか…以下に続く

ダイナミックレンジ説

音楽…レンジ…といえば、個人的にまず「ダイナミックレンジ」が思い浮かびます。

ダイナミックレンジという言葉もいくつか文脈によって意味が異なり、クラシック音楽のように抑揚がとてもあるアレンジに対するものや、楽曲の平均音量と波形のピーク値の差のことや、機器の持つ能力の最大値と最小値の差のことを表す用途として使われます。

(例)
・この楽曲のアレンジはダイナミックレンジが広い
・音圧戦争の影響でダイナミックレンジが狭い楽曲
・CDのダイナミックレンジは96db

先の使用例を見るに楽曲に限らないにせよ、対象の音の最大値と最小値の差が当てはまりそうです。

しかしここで疑問なのが、twitterとかで検索をしてみると最近の音圧戦争の影響によってダイナミックレンジが非常に狭いと思われる音楽に「レンジ感」が「ある」と表現している例がたくさん出てくることです。

なんなら「昔の曲はレンジ感がない」みたいな発言もどこかで聞いたことがあるような気がします。

もしかしたら「レンジ感」というのはダイナミックレンジのことではなないのかもしれません。

周波数レンジ説

ダイナミックレンジでは無いとしたら、何があるのか?と考えると「周波数」が思い浮かびます。

周波数の範囲、つまり対象の音の周波数成分の範囲、あるいは対象の機器の再生出来る周波数の範囲。ちなみに周波数というのは、波が一秒間に何回揺れているかを示す数値で、音楽的には音の高低を示す用途でもっぱら使われています。

なかなかイイ線な気がします。と思って「周波数レンジ感」でググったら結構出てきました。

ただ、「ダイナミックレンジ感」でググっても結構出てきました笑

個人的に「周波数レンジ」説が濃厚だと思って書いてきたのに、一体どうなっているのか!?

「感」という言葉から読み解く

ダイナミックレンジと周波数レンジどっちの可能性もあると分かりましたが、ここで「レンジ感」の「感」というのが非常に重要なのではないかと思いました。

周波数レンジにしろダイナミックレンジにしても計測すれば実際の数値が確認できるし、スピーカーやヘッドホン、ケーブルなどは商品パッケージとかに表示されていることも多い。

ということは実際の数値は関係なく、その人の主観で「感じる」ことの出来る周波数かダイナミクスの「レンジ」が「レンジ感」という言葉の意味なのではなかろうか?

つまり、実際に計測して周波数やダイナミクスのレンジが狭い音でも、感じることの出来る周波数またはダイナミクスが広ければ「レンジ感のある音」になるという。

そして、前後の文脈で「周波数レンジ」なのか「ダイナミックレンジ」なのかは判断せよ…と。

これなら色々と辻褄が合うが…むずかしくね?

レンジ感は共有不可能?

その人の主観で「感じる」ことの出来る「レンジ」が「レンジ感」であるかもしれない、ところまで分かりましたが、それって他人と共有出来ないものではなかろうか?

「良い音とは何か→「人それぞれ」というのを真面目に考察する。」」という投稿で、誰かの主観的体験を元にした評価は他人と共有出来ないんじゃないか?という話を書きましたが、それと同じではないかと。

じゃあ何でこんなに「レンジ感」という言葉が溢れている…とまではいかないにせよ多く使われているのかを考えるに、音が良いと思った時に使うちょっと具体的っぽい雰囲気を持つ形容詞のバリエーションが少ないからではないかと考えました。

それで、手頃な雰囲気のある「レンジ感」が採用されているのではないかと。

レンジ感に遭遇したら

以上のことから、「レンジ感」という言葉に遭遇した時にどう翻訳すれば良いのかを考えると…

「レンジ感がある音」=「音楽(機材)に結構興味がある(もしくは造形が深い)私的に良いと思う音」

「レンジ感が無い音」=「音楽(機材)に結構興味がある(もしくは造形が深い)私的に良いと思わない音」

で、意味が通じるようになると思います!

ちゃんちゃん

(終)

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