Sweetwater主催のボーカルマイク50本の聴き比べ企画

当サイト、あんまブログっぽくないな〜っと思ったので(大学生のレポートっぽい笑)、ブログっぽい時事ネタ?というか自分が「おっ」と思った小ネタみたいなものも投稿していこうと思いました笑

ってことで、昨日見つけた面白ページを紹介。

北米の大きな楽器屋(というか音楽関連の店?)Sweetwater“Vocal Mic Shootout”と称した50本のボーカルマイクの聴き比べ企画です。

Vocal Mic Shootout | Sweetwater

別にボーカル専用のマイクってわけではありませんが、下は50ドル上は8995ドルの様々な価格帯のラージダイアフラムでサイドアドレス型のコンデンサーマイクを50本聴き比べ出来るので楽しいです。

似たようなものは過去にも色々な人がやってると思いますが、今回はページがとにかく見やすい!

しかもご丁寧にProtoolsのセッションファイル(24bit/96kHz)がダウンロード可能で、録ったままの素の音も聴けるし、そこから好きなエフェクトも掛けれるという気の利きよう。(ワタクシはまだDLしてない)

レコーディングプロセスなど

そして今回の企画のレコーディングについてのレポートもあってそっちもなかなか面白い。

Behind the Scenes: Creating the Vocal Mic Shootout

そこで紹介されていたレコーディングのプロセスを掻い摘んで書くと

前提

・あなたが聴く機会がなかったマイクを発見して欲しい。
・なるべく科学的に測定しようと頑張ったけど、音楽なので完全に科学的にはならない。
・人間の声なので、それぞれのソースを完全に同一なものに出来ないけど、なるべく同じパフォーマンスが出来るようにプロのシンガーを連れてきた。
・マイクやシンガーのポジション、マイクのゲインなどは同一になるように頑張った。

マイクの選定

・Sweetwaterで扱う700近いマイク(USB接続とかヘッドセットなどは除く)からラージダイアフラムのサイドアドレス型コンデンサーマイクに絞り、「人気」「供給の安定度」「価格」の要素を元に50本に絞った。マイクは全て単一指向性にして、ハイパスなどのオプションスイッチは全てOFFにした。

マイクのリスト(50本)
AKG C214
AKG C314
AKG C414 XLII
AKG C414 XLS
Aston Origin
Aston Spirit
Audio-Technica AT4033/CL
Audio-Technica AT4040
Audio-Technica AT4047
Audio-Technica AT4050
Audio-Technica AT5040
Avantone CV-12
Behringer C-1
Blue Baby Bottle SL
Blue Bluebird SL
Blue Bottle w/B6 capsule
Bock Audio 251
Bock Audio iFet (Voice setting)
Chandler REDD Mic
Lauten Audio Clarion
Lauten Audio LA-220
Lauten Audio LA-320
Lauten Audio Oceanus
Manley Gold Reference Mic
Manley Reference Cardioid Mic
Miktek CV3
Miktek CV4
Miktek MK300
Mojave MA-50
Mojave MA-201fet
Mojave MA-300
Mojave MA-301fet
Neumann TLM 49
Neumann TLM 103
Neumann U47 FET
Neumann U 87 Ai
RODE NT1
RODE NT1-A
RODE NTK
sE Electronics sE2200a II
sE Electronics sE X1 s
Shure KSM32
Shure KSM44A
Soundelux U99
Soundelux U195
Telefunken AK-47 MKII
Telefunken AR-51
Telefunken ELA M 251E
Telefunken U47
Warm Audio WA-87

レコーディングした場所

Sweetwater Studios Aにて。ライブ過ぎず、デッド過ぎないバランスの良い音響を持つ広めの部屋とのこと。

レコーディングに使った機材(マイク以外)

・マイクプリ:Millennia HV-3R
・コンバーター:AvidHD
・マスタークロック:Antelope Trinity
・マイクケーブル:Sweetwater mic cable

マイクのポジション

・マイクは8本づつのグループに分けて約30.5cm(12インチ)づつ離してLatch Lake社のマイクスタンドを使ってマイクのダイアフラムの高さを床から約1.56m(61.5インチ)に揃えて整列させる。なぜ1.56mかというと、最初の男性シンガーに適した高さだったため。2人目の女性シンガーの時はマイクのポジションはそのままで、台に乗ってもらい使って高さを調節。マイクの背面のスタジオ窓までの距離は約5.2m(17フィート)

マイクのゲイン調整

・マイクのダイアフラム中心から約11cm(4.5インチ)垂直に離した所から、Auratone社のスピーカー5C Super Sound Cube 4.5″を使い1kHzのテストトーンを105dB SPLを鳴らして、Protools内で-19dBFS(+/-0.7dB)になるようにマイクプリのゲインを調整。最終的な音量調整はProtoolsのクリップゲイン機能を使い+/-0.1dBになるようにした。極性のチェックはGalaxy Audio社Cricket Polarity Testerを使用。

レコーディング

・歌詞忘れなどのために何箇所かパンチインしたところがあるけど、ほとんどは最初から最後まで一発録り。ポップガードは無しで、ハイパスフィルターもかけず、ピッチ修正もなしの状態。もしエフェクトを掛けたかったらPro toolsのセッションファイルをDLせよ。


てな感じでこの企画、用意するの大変そうだな〜って思いました。お疲れ様です。

我々的には、このGWに良い暇つぶしになるのではないでしょうか!?

gearslutsにてこの企画のオフィシャルなコーナーが出来てましたので、皆さんの感想も覗けるよ笑

The Big Sweetwater Mic Shootout 2017

(終)